特徴(花・種子)

空豆(そらまめ)の植物学的な特徴

花の特徴(形態)

マメ類の特徴である旗弁(きべん)1片、翼弁(よくべん)2片、舟弁(しゅうべん)(竜骨弁)2片の計5片で蝶形花(ちょうけいか)を形成し、鐘形(しょうけい)のがくを付けます。花は淡紫色または白色で、長さ2〜4cm、旗弁には線紋、翼弁には斑があります。

子房は扁平な多室で、各室に胚珠(はいしゅ)を有しています。生長に伴い、胚珠が種子に、胚珠を支えている珠柄(しゅへい)は種子柄になります。

種子柄と種子の接点が臍(へそ)であり黒色になるので、お歯黒と呼ばれています。他のマメ類と同様に、花蕾(からい)が生長し、開花前に葯(やく)が裂け自家受粉が行われます。


種子の特徴(構造)

マメ類の最大の形態的な特徴は、莢菜(きょうさい)類とも呼ばれるように果実は莢果(きょうか)を形成します。空豆(そらまめ)は莢に包まれた子実(種子)が完熟したもので、未熟なものに限らず、種皮に包まれた子葉部を主として食用とします。

種皮はクチクラ層、柵状組織、海綿状組織、時計皿細胞および圧縮細胞からなり、3層構造で子葉を物理的な衝撃から保護しています。また、クチクラ層は乾燥から子葉を保護しています。

種子はやや角張って扁平な腎臓形をなし、大粒種で長さ18〜28cm、幅12〜24cm、小粒種は長さ10〜18cm、幅6〜13cm、百粒重はそれぞれ110〜250g、28〜120gであり、品種により丸みを帯び、臍が大きい。

種皮の色は淡緑または淡褐色ですが、時間と共に褐色が増し、膿褐色となります。一方、莢も成熟と共に変色し、膿褐色(種類により黒色)となります。莢に接続していた部分は臍となり、この種子の臍にはわずかな亀裂があり、この亀裂が種子の水浸漬における1次吸水経路となります。