栽培方法

空豆(そらまめ)の栽培方法

初夏の訪れと共に収穫を迎えるのが空豆(そらまめ)です。空に向かって、若い莢がつんと立つ姿から「空豆」とも、繭に似た形から「蚕豆」とも書きます。花芽を作るために低温にあてる必要があるので、晩秋に種蒔きをして初夏に収穫するのが一般的です。とれたての空豆(そらまめ)を塩茹ですると、どんなところで売っているものよりも格別の美味を堪能することが出来ます。


スタート(種蒔き)

冷涼な気候を好み、生育適温は16〜20度です。20度以上になると生育が鈍る傾向がありますので、種蒔きには秋が深まる10月中旬〜11月上旬に行います。ポットに蒔いて育苗した方が後々管理がしやすくなります。

3号ポットに土を入れ、お歯黒と呼ばれる黒いスジの入ったところを下に向けて蒔きます。お歯黒の近くから芽と根が伸びてくるので、斜め下に向けて蒔いた方がちゃんと芽が出てきます。種の頭が少し見える程度に埋めてたっぷり水遣りをします。通常は1つのポットに2個の種を蒔き、2本立ちさせます。


3週間後(植え付け)

本葉3〜4枚になるまで育ててプランターに植え付けます。苗は間引かず、2本立ちのままです。ホームセンターなどで苗を購入するときは、本葉が4〜5枚がついたずんぐりとした苗を選んで下さい。コンテナーに積まれた苗は日が当たっていないので、ひょろひょろとしていることが多いです。気を付けて下さい。

プランターに土を入れたら、株間を30cmくらいあけて植え穴を掘り、ポットからはずした苗を植え付けます。厳寒期はあまり生長しないので、水遣りに注意しながら春までこのまま育てていきます。


20〜21週間後(整枝、追肥、支柱立て)

空豆(そらまめ)は寒さに強く、露地栽培では敷きワラなどを施して越冬させますが、プランター栽培の場合は、風の吹き込まないベランダの一画に置いておくだけで十分です。小さなプランターの場合、背丈が50cmを超えると、ちょっと強い風が吹いた日はプランターごと倒されてしまうますので、何かしらの固定をしておくと良いでしょう。

整枝をする  背丈30〜40cmくらいになったら、1株で6~7本に整枝します。大きい枝を残して根元から切り取ってしまいます。

追肥・土入れをする  化成肥料20gを株間にまき、土が締まってかさが減った分、新しい土を入れて軽く混ぜ合わせます。このとき、株の中にも土を寄せると枝が広がり日光がよく当たり風通しも良くなって、生育も旺盛になります。

支柱を立てる  長さ60cmくらいの支柱をプランターの縁に沿って4〜5本立て、ひもを張り巡らせて株が倒れるのを防ぎます。以後、生長に合わせてひもを数本張ると良いでしょう。


24〜25週間後(摘芯)

暖かくなるにしたがって、株はぶんぶん生長します。空豆(そらまめ)の花が咲くのもこの時期です。繊細で美しい花は、早春のベランダを明るく彩りますが、狭いベランダだと布団を干すたびに肩身の狭い思いをします。

背丈60〜70cmくらいになったら、養分を莢の充実に向けるため、枝の先端を切って生長を止めます。


29〜30週間後(収穫)

天を向いていた莢が豆の重みで下を向いてきます。背スジが褐色なったら、収穫の適期です。莢ごと切り取って中の豆を出します。

ベランダ菜園ならではの新鮮さを味わうため、すぐに調理しましょう。鮮度は1時間単位で落ちていくと言われています。