効率的な苗数の探索

空豆(そらまめ)収穫結果の記録

「プランターで空豆を栽培できるのか?」という素朴な疑問から始まったこのホームページでしたが、数年やってみると意外とできてしまうことが分かりました。ただ、空豆のタネを買っているとお徳用の袋があったりして、欲を出してたくさん育ててしまうんですよねぇ。そこで、いつものプランター(ベジタブルプランター700 ベジタブルグリーン サイズ(cm) 70W × 40D × 26.3H )で効率よく収穫できる苗数っていったい何本なのか?過去にさかのぼって調査してみたいと思います。


2006年(3苗群×2)

6本の苗を3本づつ分けてそれぞれのプランターで育てました。まだ、このときは効率的な収穫ということは考えていなかったので、全部で32莢(53豆)/6苗という記録をしていましたが、1プランターに換算すると16莢(26.5豆)/3苗で、5.33莢/8.83豆/1苗でした。この段階では、まぁそんなもんかぁという感じでしたね。


2007年(3.5苗群×2)

昨年同様、使えそうな苗は7本でしたので4本と3本に分けて育てました。このときも効率の良い収穫方法ということを考えていなかったので、全部で56莢(116豆)/7苗で1プランターあたりに換算すると28莢(58豆)/3.5苗でした。1苗あたりの収穫率は、8.00莢/16.57豆/1苗で昨年と苗数がほとんど変わらないにもかかわらず、莢数は1.5倍、豆数は1.9倍まで成績を上げてきました。


2008年(8苗群×2)

この年は、お徳用のタネを買ってしまい欲を出して1プランターあたり多めの苗数で育ててしまいました。収穫結果は、54莢(79豆)/16苗で、1プランターあたり27莢(39.5豆)/8苗でした。1苗あたりの収穫率は、3.38莢/4.94豆/1苗で最悪の結果となりました。収穫率だけではなく、昨年の7苗よりも倍以上の本数なのに、莢数、豆数でも負けてしまいました。苗数は多ければ良いと言う訳ではないことがよく分かりました。


2009年(10苗群 vs 5苗群)

思ったよりもたくさん苗が育ってしまったので、昨年の「数」はいらないという結果を裏付けるために10苗群と5苗群で収穫率を比べてみました。1回目の収穫では、10苗群が2.01g±0.38、5苗群が2.02g±0.31と小さめでしたが、2回目は4.22g±0.49、4.14g±0.85とまずまずの大きさになりました。合計すると、10苗群が45莢(79豆)/10苗で4.50莢/7.90豆/1苗、5苗群が30莢(60豆)/5苗で6.00莢/12.00豆/1苗でした。

今回の結果から、収穫率は5苗群に軍配が上がりました。また、10苗群も条件は違うものの2008年の8苗群(3.38莢/4.94豆/1苗)より効率よく収穫できましたが、1プランターに8〜10苗は非効率的であることが分かりました。今のところ2007年の3.5苗群(8.00莢/16.57豆/1苗)が最も良い苗数となっていますが、豆の重さを測定していませんでしたので一概に良いと言えるかどうか分かりません。因みに今回の豆の重さも10苗群は3.16g±1.12、5苗群は3.29g±1.25で、これもいかがなものなのか?今後の検討課題にしたいと思います。


2010年(5苗群 vs 3苗群、地植え栽培、市販の空豆)

昨年の課題を引き継ぎながら、5苗群と3苗群でガチンコ勝負しました。結果は、5苗群が44莢(93豆)/5苗(3.14g±0.78)で8.80莢/18.60豆/1苗、3苗群が30莢(69豆)/3苗(2.93g±0.65)で10.00莢/23.00豆/1苗でした。1苗あたりの収穫率だけ見ると3苗群に軍配が上がり、過去の結果を見ても最も効率的だったと言えますが、豆の重さを見ると3苗群は平均3gを切って小ぶりであることと5苗群と比べて危うく有意差が出てしまうところでした(P=0.0674)。

また、今年は残りの苗(7本)を地植えしました。プランターとはぜんぜん環境が違うので参考までですが、88莢(190豆)/7苗(3.96g±0.69)、12.6莢/27.1豆/1苗になりました。収穫率はプランター栽培と比べものになりませんが、豆の重さはいかがなものか?市販の空豆を購入し調査したところ20莢(63豆)(3.92g±0.79)で遜色ない結果になりました(p=0.7637)。この結果より一般的に空豆の重さは4g弱なのかなぁと思われます。今後はプランター栽培で群間比較を行う際に、ちょっと甘めで3.5gくらいを基準としても良いかもしれません。